ブロツワフの町(3)

 ポーランドに来て3ヶ月、ブロツワフに住んで2ヶ月が過ぎた。授業や生活にも慣れ、気持ちに余裕ができ週末を自分の好きなことに多くの時間をあてられるようになった。
 インターネットで Wroclaw Weekly を検索すると金曜日から翌週の木曜日までの様々な情報を得ることができる。その中に concert の項目があり、自分の気に入った演奏会を見つけ楽しんでいる。


concert hall (2).JPG

 ブロツワフには、ブロツワフ本駅から西側に歩いて10分位のところにフィルハーモニーコンサートホールがある。 収容人員は700~800人位で、こじんまりとしたホールである。


concert hall (3).JPG

また、そこを拠点に、ブロツワフフィルハーモニーオーケストラが活動している。親子を対象にしたファミリーコンサートも活動の一環として音楽の普及活動に努めている。さすが、ショパンの生まれた国である。
 先日、そのホールにクラクフ フィルハーモニー オーケストラがやってきた。エバ・クピュックという女性ピアニストがそのオーケストラと共演し、ショパンのピアノ協奏曲第2番ヘ短調を弾く演目であった。以前から、ショパンの生地ポーランドでショパンの曲を聞きたいと思っていたので、その日を楽しみにしていた。当日は立ち見をする人が出るほどホールは聴衆でいっぱいになり、演奏が終るとホール中に拍手が鳴り響いた。花束を受け取ってステージ下に戻った彼女は、再び、ピアノの前に座り、アンコール曲を弾き始めた。曲目は映画 『 The Pianist 』(邦題 『戦場のピアニスト』)で使われたショパンのノクターン第20番(遺作)嬰ハ短調。曲の調べとともにステージ上のオーケストラ団員も含め、ホール内全員が、彼女の演奏にひきこまれていた。
 その映画は、ポーランドの名ピアニスト W・シュピルマンが第2次世界大戦ナチス・ドイツ侵攻の中、奇跡的に生き延びたことを書いた回想録を基に、ロマン・ポランスキー監督が映画化した作品である。今、自分がポーランドにいること、そして思い出されるその映画のシーンで、自然と涙が込み上げてきた。感動に浸りながらステージ上を見ると、ピアノを囲んで座っている クラクフ フィルハーモニー オーケストラの団員の中にも目元を手で拭う姿が見られた。それも一人ではなく何人もである。しばらくして、クラクフには、アウシュビッツの収容所があり、今も世界遺産として残っていることを思い出し、私なんかよりもっともっと深いものが込み上げてくるのも当然だと思った。その日の演奏会は、私にとってアンコール曲が一番心に残る曲となった。

 また、音楽はコンサートホールだけでなく、ポーランドの人たちにとって生活と密着した教会でも楽しむことができる。ポーランド人の約90%がキリスト教カトリックの信者であることから、ブロツワフにも教会がたくさんある。
 観光の中心となる市庁舎から東側へ歩いて10分ほどのところに、聖アルベルト教会がある。

church(1).JPG

church(2).JPG


 ポーランドの人達は日曜日になると家族全員で教会へ行き、ミサを聞く人が多く、特に12時のミサは、いつも、いっぱいである。私もクリスチャンではないけれども、よくその教会へ行く。教会全部にあるわけではないが、聖アルベルト教会にはパイプオルガンがあり、ミサの中でパイプオルガンの奏でる音と、聖歌隊の歌声を聞くことができる。

church(5).JPG

church(6).JPG

鐘の音とともに教会に集まった人たちが立ち上がり、司祭の通る声で話が始まる。初めのころは出入り口の隅で司祭の声とパイプオルガンの音を楽しんでいたが、徐々に、教会の中へ入り一番後ろの席で信者の人達と同じ動作を行い、ミサを聞くようになった。もちろん、ポーランド語はわからないが、なぜか心が落ち着いてくる。

church(4).JPG

 教会に集まる人たちは老若男女。まさに赤ん坊から杖をついたお年寄りまで幅広く、流行最先端を行く若者の姿も目にすることができる。また、乳母車を引いて教会に来る若い夫婦の姿もよく見かける。ポーランドの人達はこんなに小さいときから、教会に親しみ、聖歌隊の澄みわたる歌声やパイプオルガンの音色を子守唄代わりに聞いて育っていることがわかった。

 トラムやバスに乗っているとポーランドの若者たちは、お年寄りや身体の不自由な人が乗ってくるとすぐに立ち上がり席を譲る。日本ではなかなか見かけられない光景だが、彼らのそうした行動は乳母車の中にいるころから、彼らの中に自然に育まれて身についたものなのだと、ミサを聞きながら一人納得した。

ぜひブログランキングのクリックをお願いします♪
人気ブログランキングへ

トラックバック(0)

このブログ記事を参照しているブログ一覧: ブロツワフの町(3)

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://breslau2009.icea-tokyo.com/mtsys/mt-tb.cgi/64

コメントをどうぞ






TOPPAGE  TOP 
RSS2.0